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⚠️幼児の過剰歯を抜く【閲覧注意】

過剰歯…本来は存在しない歯。
骨の中に埋まっている場合を、特に埋伏過剰歯と呼ぶ。


コロナ禍に始まり、コロナ禍のまま過ぎていった2021年末。最後に待っていたのはこどもさんの埋伏過剰歯の抜歯でした。

その術式は、上顎の歯茎を半分近くめくって骨を削って抜いて縫い合わせる。いたってシンプルで手術自体は問題ありません。口腔外科なので当たり前といったトコロ。
それより憂慮すべきは別の点。

・年齢が6歳
・歯科に少し警戒心・恐怖心あり
・抜くべき埋伏過剰歯は2本


一旦、歯茎をめくってしまえば縫い合わせないと終われないワケで、中止できない手術と考えて良いかと思います。そもそも歯を抜くこと自体は15〜20分ぐらいで終われるのですが、患者さんがこどもだということ。
痛くないようにゆっくり時間をかけて段階的に麻酔する必要があり、不安にならないよう声かけしながら手術したりしていると、なんだかんだで1時間ぐらいかかることもあります。

病院だと、体・手足をナイロン性の網で固定し目隠して施術する場合もあり、難易度が高ければ全身麻酔になることもありますが…
もしも自分のこどもだったら、なんとしても避けたいトコロ。
やっぱり普通に外来での手術がベスト。つまり6歳のこどもに1時間座ってもらって泣くこともなく普通に抜くということです。

普通に考えると…、ん〜…ムリかも💧ってなりますが…。

そこで、今回は夏ぐらいから治療のトレーニングを行いつつ、信頼関係を築き、冬休みに手術するというプランを提案しました。
…それからというもの、2週間に1回ぐらいのペースで来院してもらい、大好きなマーベルの話をしたり、プラモデルの話をしたり、絵を描いたりしつつ、少しづつ開口器(口を開けっぱなしに固定しておく器具)、削る道具の振動、注水と吸引、表面麻酔など基本的なトレーニングをすすめてゆきました。
12月には実際に麻酔の注射をするテストもクリア。
怖いのは怖いけど、信頼して頑張ってくれてる…そんな気持ちが伝わってくるように感じたので…

気は熟せり!

こうして迎えた12月28日…


まずは上顎を青い線に沿って切開…

歯茎をめくると骨が出てきますが、さらにその内部に歯が埋まっています。
(青い部分が埋伏過剰歯です)


骨を削って露出させ、抜歯。


もう一方も骨を削って露出させ、同じように抜歯。


最後に縫い合わせて終了。

途中の動画は、どうなってるか本人に聞いたところ見たいとのことだったので、同意の元撮らせていただきました。
…が、早く終わらせるのが一番大事なので、ブレブレですみません。

なんだかんだ時間がかかりましたが、泣くことも動くこともなく、終始落ち着いた様子で手術は終了

たった1日の手術ではありますが、そのための長期トレーニングが実ったのは我々スタッフだけではなく、本人と親御さん、3者のチーム連携だと思います。


外科と小児歯科について詳しく知りたい方はコチラ

👉歯をぬく外科

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👶お子さんの過剰歯🦷


 
■ 書いた人:ケーコ歯科 歯科医師 塚本

口腔外科で病院勤務後、ベテラン歯科医師の元で研鑽を積み、歯科医院の分院長を経験。現在は名東区で歯科医院を開業しています。
診断力と器用さを武器に、オールラウンド型歯医者を目指して奮闘中。