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なぜ削っても入れ歯は痛いままなのか?|名東区の歯医者|ケーコ歯科

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なぜ削っても入れ歯は痛いままなのか?

1. はじめに:入れ歯調整に対する世間の誤解

入れ歯が当たって痛むとき、「痛い部分の裏側削る」のが当然だとおもわれてませんか?

私自身のキャリアを振り返っても、「入れ歯の調整=内面を削る」という調整がセオリーとして歯科には深く根付いています。

でも、当院では入れ歯の内面を削るのは、10回あったら1回あるかないか。実際にはそれ以下の頻度かもしれません。

なぜ、世間一般で行われている「削る調整」を当院では行わないのか。その核心にある「痛みの真犯人」についてお話しします。

 

2. なぜ入れ歯が痛くなるのか? 2つの主要な原因

入れ歯の痛みが生じるメカニズムには、大きく分けて2つの要素があります。

原因1:型取りの際の誤差(エラー)

入れ歯を製作する最初の段階である「型取り」の時点で生じた物理的な誤差です。このエラーによって特定の部位が強く当たっている場合、そこには確かに物理的な圧迫が存在します。


原因2:噛んだ瞬間に生じる「義歯の揺れ」

実は、多くの患者様を苦しめている痛みの真犯人はこちらです。噛んだ瞬間に、入れ歯が「いざる(横滑りする)」、あるいは「揺れる」という動的なエラーです。 この動きは、わずか0.1mmから0.3mmといった、目視では判別が難しいほどの極めて微細なものです。しかし、この「0.1mmにも満たないかもしれない」ほどの微小な動きが、噛み締めた瞬間に歯ぐきへ「グサッ」と刺さるような鋭い痛みを生み出します。どんなに精密な型取りをして形を合わせても、噛んだ瞬間に0.3mm動いてしまえば、それは即座に激痛へと直結するのです。

3. 「内面を削るだけ」の調整が抱える決定的な問題点

噛んだ瞬間の「いざる」「揺れる」という根本的な動態を放置したまま、痛い場所の内面を削ってしまうとどうなるでしょうか。

揺れという原因が解決されていない限り、たとえ一箇所を削って逃がしたとしても、入れ歯はまた別の方向へ滑り、別の場所を攻撃し始めます。削れば削るほど適合はスカスカになり、さらに揺れが大きくなるという「いたちごっこ」の悪循環に陥るのです。

ここで一つ、重要な事実に気づいてください。市販の安定剤を使って「入れ歯が落ちない状態」に固定したとしても、噛んだ瞬間の痛みが消えないことがあります。それは、入れ歯が外れなくてもいざることそのものが治ったわけではありません、噛んだ瞬間の動きを止めることとは、全く別の問題なのです。

4. 当院の調整アプローチ:揺れをなくし、土台を安定させる

歯科のセオリーが「削る」のに対し、当院では噛み合わせの足りない部分に材料を「盛り足す」ことで、均等な噛み合わせをまずは構築します。ただ修正した入れ歯に合わせてさらに噛み合わせはズレるため、しばらくはそれを予測して調整し、安定した噛み合わせをめざしてゆきます。
結果的に安定した噛み合わせをえることで、入れ歯には均等に負荷がかかり、入れ歯がズレることがなくなるわけです。

5. まとめ:痛みのない入れ歯を目指して

入れ歯の調整とは、本来「内面を削り取って形を変えること」ではありません。「揺れを制御し、噛む力を分散させるバランスを整えること」こそが真の調整です。

「何度も削ってもらっているのに、痛みが引かない」「別の場所が次々に痛くなる」というお悩みをお持ちであれば、それは調整の方向性が間違っているサインかもしれません。