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👂過剰歯 よくある質問


最近、過剰歯について、特に遠方からのお問い合わせをいただきます。
一般的に歯医者さん選びは同じ居住区内でお選びの方が多いかと思うのですが…
市内はもちろん、県内の遠方や県外からもお問い合わせをいただきます。

さて、こうした遠方からお問い合わせいただいた方の多くは、近隣の歯医者さんでレントゲンを撮ったら過剰歯があるのを指摘され、総合病院の口腔外科へ紹介になったという流れ。
そして紹介先の病院で入院しての全身麻酔下での抜歯を勧められることになります。

え?歯を抜くってだけなのに、いきなり入院になるの?
え?どうしても今やらないとダメなの?
え?抜かないと歯並びに影響しちゃうの?

相談される親御さんの多くは6〜10歳くらいのお子様の相談がほとんどです。
昨日まで知りもしなかった埋まった歯の存在を告げられ、いきなり入院して全身麻酔の話まで飛ばされる感覚だと思います。その上、早く抜かないと永久歯がキチンと生えてこないという歯並びのリスクまで説明されるオマケつき。
“我が子のいきなりの話をよく調べて考えて決めたいのに早く決めないとダメ”
そんな難しい選択に戸惑われるのも無理ありません。

そこで、ケーコ歯科ではこれまでみなさんからいただいた相談メールの内容から多くいただいた質問を、実際にいただいた患者さんからのメールを抜粋する形でまとめてみました。
解答もその際にケーコ歯科より返信した文面そのままとなっています。

 

Q1.5〜6歳でも大丈夫でしょうか?

大学病院で前歯の乳歯と永久歯の間に2本過剰歯があることがわかりました。全身麻酔は避けたいと相談しましたが、まだ小さくて危ないので全身麻酔がベストです、と。
今は5歳、あと数ヶ月で6歳になりますが、外来で局所麻酔でも抜歯が出来る可能性はありますでしょうか?


A.

結論から申し上げれば、CT含め診察させて頂かないとなんとも申し上げれない…ということにはなるのですが、ポイントがいくつかございます。
・永久歯の生え始めるタイミングはいつか
・本人の歯科への信頼度
・そもそもの難易度
・将来的に矯正が必要かどうか
こういったことをお会いして、みさせていただくことになるかと思います。

単純に年齢だけで見ると、5歳半という年齢は少し早いかもしれませんし、前歯の生えるまではまだ猶予があるような印象はあります。


就学前に過剰歯の存在が指摘されることも少なくありません。
前歯の永久歯が生えるまで2〜3年の猶予があるとも考えられますが、矯正歯科を受診されていると、就学前のお子様でも抜歯をすすめられることもあります。
ケーコ歯科の経験では6歳ぐらいから、トレーニングしての抜歯ができる可能性がでてくる印象ですが、年齢よりも担当医との関係性や自己肯定感がポイントになると考えます。
8歳以上であれば大体は問題なく抜歯しています。

 

Q2.本当に抜けるんです?

 

過剰歯を抜歯したいのですが、こちらで抜けますでしょうか。


A.

お子様の年齢はもちろんですが、低学年・未就学児であれば恐怖感なども考慮し、さらに埋まっている位置や永久歯との関係性によって、治療計画が変わってしまいます。
お問合せに対する解答としては「だいたい抜けると思います」ぐらいの感じになかと思います。


病院などでCTを撮影し、全身麻酔の手術の話などをされた後ですから、普通に歯医者で抜く話に半信半疑でも無理はりません。
もともとは総合病院の口腔外科で全身麻酔で埋伏過剰歯を抜いておりましたので、かつては紹介される側だったことになります。
よほど特殊な埋まり方をしていない限り、抜くこと自体は可能です。
ただトレーニングしての意識化での埋伏過剰歯の抜歯は途中でやめることができませんので、トレーニングを重ねる中で可能かどうか判断させていただくことになります。

 

Q3.いい先生知りませんか?

 

小学生1年生の女の子です。
セカンドオピニオンに大阪歯科大学附属病院に行こうかと考えています。電話したら、一度きて頂いてもよいけども、全身麻酔じゃなくてもできる場合にはもあるが、子どもにもよるし、後々、トラウマになったり、歯医者が怖くなることもあると言われました。できないことはないのだけれど…みたいな感じでした。
どこか大阪付近で、先生のような取り組みをされていらっしゃる口腔外科をご存知ないでしょうか?


A.

全身麻酔との考え方は至極まっとうだとは思います。部分麻酔でやろうと考える歯科医師はごく少数で、場合によっては批判されることもあるかも知れません。
部分麻酔でやってみようと思ったのも技術的な自信よりもむしろ、こどもとの信頼関係の自信が始まりでした。
特定の勉強会や学会があるわけではありませんので、同じ考え方でやっている先生も存じ上げません。大阪はおろか名古屋でも正直わかりかねるのです。

実はトレーニングしての埋伏過剰歯抜歯というアプローチはどこかで習ったものではありません。
病院での小さいお子様への外傷の処置には体を抑制する器具を使用するのですが、小さい子は泣いてしまったりします。ただ、状況がわからずに泣いている子ばかりではなく、”やらないといけないのはわかってるけど、怖いから泣いている”…そんなお子様もいることがわかります。
となれば、トレーニングでやることを練習して恐怖感を取り除きつつ、信頼関係を築ければ意識下でも可能ではないか?懐いている子をみていて抱いたそんな発想が始まりなのです。

 

Q4.日帰りでも抜歯できますか?

 

長野県に住んでおります、小学二年生の男児の母です。
かかりつけでお世話になっている歯科医院で、逆向きになった歯と横向きになった歯おそらく2本の過剰歯があり、永久歯の生え替わりを妨げていると教えてもらい、近くの総合病院に紹介状を待って受診を薦められました。
地元の病院を受診しようかと思ったのですが、入院や手術の為の検査や全身麻酔と子どもの体への負担が大きく、やらずに済むならば、手術が必要か日帰り治療ができそうかをまず、相談させてらもらえたらと思います。


A.

部分麻酔で過剰歯の抜歯をする場合、当院では基本的にトレーニングをしてから手術に臨む形となり、トレーニング途中でお断りすることもありうる…と最初にご説明させていただいておりますが、担当医との相性や歯科に対する恐怖感など他の要素も多くあり、年齢問わず難かしい時は難かしいというのが正直なところで、できるかどうかは実際あって話をしてみないとなんともわからないのです。
トレーニングの期間ですが、6月に手術した子は6歳でしたが、およそ3ヶ月ぐらいのトレーニング期間だったと思います。
つまり3ヶ月トレーニングできるような体制の施設が必要ということになります。長野ですとさすがに遠方ですし、手術できるかどうか断定できないので不向きかも知れません。

トレーニングに特殊な知識が必要な訳ではなく、お子様本人と向き合い信頼関係を築くプロセスがとても重要です。この過程が必要なければ、おそらく外来で普通に抜歯はできるかと思います。
大人は相手が誰で何をするか把握していても、お子様は当日までわからないまま手術に臨みます。その術式や必要性を大人と同じレベルで理解するのは難しいと思いますし、信頼関係だけが支えになると思います。
残念ですが、遠方には不向きな治療法といえるでしょう。

 

Q5.早く抜歯したほうがいい?

 

海外に住んでいて、昨年一時帰国した時に、歯医に行きレントゲンを撮って確認したことろ過剰歯を確認しました。
現在娘は7歳です。
その時、短期間の日本滞在だったため手術できないと言われ、日本に帰国する1年後まで手術を遅らせても問題ないと言われたので、そのまま様子を見ることにしました。
しかし、最近になって、過剰歯の前に永久歯が出てきて重なるようになってしまい、気になって調べていたら、他にも放置して置くことの危険性が目について、不安になってきています。
早く抜歯をしたほうがいいでしょうか?


A.

海外にお住まいですので、トレーニングしての外来抜歯は難しいと思います。
海外で抜歯も選択肢かも知れません。技術的には難易度高いものではありません。日本であれば5日前後の入院期間になるでしょう。
逆に日本で手術をされるのであれば、帰国のタイミングをはかって入院抜歯が有効かと思います。これについては病院はもちろん担当医レベルで対応はことなるかと思いますので、帰国先の近隣の口腔外科のある総合病院にメールで連絡をとり、可能かどうか問い合わせていただいてもよいかも知れません。


発育に差はありますが、おおよそ7〜8歳ぐらいで永久歯の前歯は生えてきます。
過剰歯の位置によって永久歯への影響も差があり、意外に猶予があったりするものです。またすでに歯列不正があり矯正を考えている場合は、矯正医と相談し安全に手術ができるまで待てる場合もあります。
過剰歯を指摘されると、いかにもすぐに抜かないとマズいような印象を受けがちかも知れません。担当医にどれくらい猶予があるか予測してもらうのも大事なことだと思います。


 

Q6.初診時に持参するものは?

 

かかりつけから紹介された病院では、全身麻酔下じゃないとできないと言われてしまい、悩んでいたところこちらのブログを拝見しました。
遠方ですが一度診察していただき、ご意見を伺えればと思います。紹介状がなくても見ていただけますか?ほかに何かこちらで準備するものなどありますでしょうか?


A.

紹介状はあってもなくても大丈夫ですが、撮影したCTデータなどがあれば診療はスムーズかと思います。



まずはCTデータを見て、そもそも外来で抜歯することが技術的・解剖学的に可能かどうか検証するのが第一歩になります。
埋伏過剰歯を指摘された場合、遅かれ早かれCTを撮ることになりますが、当院でCTが撮影できる訳ではありませんので、紹介先の総合病院で撮影してからお越しいただくのがスムーズかと思います。

 

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■ 書いた人:ケーコ歯科 歯科医師 塚本

口腔外科で病院勤務後、ベテラン歯科医師の元で研鑽を積み、歯科医院の分院長を経験。現在は名東区で歯科医院を開業しています。
診断力と器用さを武器に、オールラウンド型歯医者を目指して奮闘中。