以前にもご紹介した歯周外科について。
…と、いうものの歯周外科という呼び名自体フワッとした感じです。具体的な施術法というよりは、施術の目的と考えています。
いずれにしても歯周病の治療や予防を目的に歯茎を触る手術はだいたい歯周外科と思っていいカモです。
今回の手術は前歯の見た目を改善させるために部分的に歯茎を下げる「歯肉根尖側移動術」と呼ばれるものです。本来、歯茎の表層だけをめくり少し下に縫い付けることで全体的に歯の長さを延長させる手術になりますが、今回は歯の周りの骨も整形しています。
当院では割に多い手術で、多くは健康な歯茎を維持する目的の保険適応で対応しています。
写真は手術の直前なので、すでに仮歯になっています。
・歯茎の色が暗いこと
・前歯が短いこと
この2つの改善を希望され、今回の処置を提案しています。
【閲覧注意】クリックでモザイクなしにジャンプ
まず前歯の歯茎の表層だけを薄くメスでめくります。
めくるとは書いたものの勝手に剥がれるワケではなく、メスで表層だけを切りはなすイメージでしょうか。
薄くしようとすると穴が開きやすく、逆に厚みをとると最後の縫合で困るため、この手術で慣れが必要なトコロ。
【閲覧注意】クリックでモザイクなしにジャンプ
歯茎の表層をめくり終わった状態です。表層をめくっただけなので、見えているのは骨ではなく、歯茎の内側になりますね。手術前は歯茎が暗く変色して見えていましたが、どうやら歯そのものが黒く変色しているようですね。
最終的な治癒後の歯茎の形をイメージして、骨の形を整形します。
向かって左側の前歯は根の部分がすでに黒く変色していますね。やはり歯茎の色が暗かったのはこれが原因のようですが、残念ながら完全に削ると歯の寿命まで短くなってしまうので、土台の金属の交換や削り方などを工夫することで、歯茎の色調を回復することにしました。
調整したら最後に縫合。
両端の糸切り歯のところは最初の切開で厚みを取りすぎたため、通報での縫合だけではなく、リカバリーをしています。
この時点だと最終の状態がイメージはとてもできませんよね。
※ 治癒後の写真はまた後日載せることとします。
他にも口腔外科については詳しくご説明していますので、興味があればどうぞ。
👉詳しくはコチラ
■ 書いた人:ケーコ歯科 歯科医師 塚本
口腔外科で病院勤務後、ベテラン歯科医師の元で研鑽を積み、歯科医院の分院長を経験。現在は名東区で歯科医院を開業しています。
診断力と器用さを武器に、オールラウンド型歯医者を目指して奮闘中。